日記
カポエイラ百科事典vol.12
ブラジルのカウボーイ"ヴァケイロ"
カポエイラの歌は数えきれないほど多く存在し、今この瞬間も新しく生まれ続けています。
そんな中で、カポエイラ以外の文化から取り入れられた歌もたくさんあります。
今月の歌も、その流れから生まれた歌のひとつです。
♪Ponha lá, vaqueiro, ponha jaleco de couro♪
(カウボーイよ、革ジャンを着て向かえ)
Vaqueiro(ヴァケイロ)とはカウボーイのことで、Boiadeiro(ボイアデイロ)と呼ばれることもあります。
ブラジルのカウボーイは、厳しい自然環境の中で生き抜く逞しさと、豊かな伝統文化を持っていることから、内陸地方の象徴的な存在としてリスペクトされています。
今回は、歌のテーマにもなっているブラジルのカウボーイ文化について紹介します^_^
ブラジルのカウボーイ文化の起源はポルトガル植民地時代(16世紀)に遡ります。
当時、ポルトガル人が牛を持ち込み、バイーア州サルバドールから牧畜業が始まりました。
それに伴って、広大な土地で放牧牛を管理する役割を担うヴァケイロが誕生し、
ブラジルカウボーイ文化の原型がつくられました。
ヴァケイロは主にブラジル北東部で広がり、独自の文化スタイルを根付かせていきました。
ヴァケイロの最もメジャーな特徴は、なんといってもそのタフなマインドです。
彼らは厳しい環境下での仕事に耐えるため、忍耐強く、自立心が高いと言われています。
彼らの特徴的な衣装と装備は一種のトレードマークのようになっていますが、
もともとは厳しい環境に耐え抜くためにデザインされたものでした。
全身をレザーで覆うことで、牛や木の枝から体を守ることができたのです。
また、自然への愛着も強く、牛や馬だけでなく大地や自然と共存する心構えも持っていました。
そんな彼らの生活を題材にした「フォホー」や「バイオン」といった音楽ジャンルも発展し、
ヴァケイロは単なる牧畜労働者を超えて、文化的な存在感を帯びていきました。
現代では、すっかりブラジルの伝統文化の象徴として評価され、イベントやフェスティバルの中でその姿が再現されています。
彼らの生活や音楽は、ブラジル北東部の文化として、今もなお強く根付いています。
カポエイラとの歴史的な関連は確認されていませんが、ヴァケイロのマインドにはカポエイリスタと通じるものが多くあるのかもしれません。
気になる方は、是非深掘りしてみてください^_^